公的年金は、一人1年金が原則となっています。
2つ以上の公的年金を受けられるようになった場合は、原則いずれか1つの年金を選択することになります。
まず国民年金は、全国民に共通の基礎年金が支払われます。
厚生年金保険と共済組合等は、基礎年金に上乗せして支払われる制度です。
老齢基礎年金と老齢厚生年金、障害基礎年金と障害厚生年金、遺族基礎年金と遺族厚生年金などの組み合わせは、同じ事由で支払われるため1つの年金としてみなされ、あわせて受けることができます。
しかし、支給事由が異なる2つ以上の年金はいずれかを選択することとになります。
厚生年金保険に加入されていた方が、一定の要件を満たした場合、60歳(年齢によって段階的に引き下げられます)になると特別支給の老齢厚生年金を受けられるようになります。
今まで障害基礎年金を受けていた方は、支給事由が異なる障害給付と老齢給付をあわせて受け取ることはできませんので、いずれかを選択することとなります。
しかし、障害基礎年金を受けていた方が、65歳になって老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられるようになったときは、障害基礎年金と老齢基礎年金の2つの基礎年金をあわせて受け取ることはできませんが、特例で障害基礎年金と老齢厚生年金をあわせて受けることができます。
選択可能な年齢になったら、年金事務所で試算をしてもらい有利な年金を選択するほうがいいでしょう。
なお、障害基礎年金は所得税が非課税ですが、老齢厚生年金には課税されますので、考慮をする必要があります。