新しい年金制度はどうなっていくのか
政府内に設置されている「新年金制度に関する検討会」では、6月下旬に新しい年金制度に関する7項目の基本原則を発表しました。
年金制度に対する国民の不安感・不信感が増す中、どのような制度を作り上げていくのでしょうか、期待と不安が交錯するところです。
◆示された7つの原則
「新年金制度に関する検討会」が示した7つの原則は、次の通りです。
政府は、2013年に関連法案を国会に提出し、2014年度以降の導入を目指すとしています。
(1)「年金制度の一元化」
(2)「最低保障年金の導入」
(3)「負担と給付の関係の明確化」
(4)「持続可能な制度の構築」
(5)「年金記録の確実な管理・チェック」
(6)「未納・未加入ゼロ」
(7)「国民的議論による制度の設計」
「年金制度の一元化」と「最低保障年金の導入」
新制度の大きな柱は、「年金制度の一元化」と「最低保障年金の導入」です。
これらは昨年8月に行われた衆議院選挙における民主党のマニフェストにも示されていました。 このときのマニフェストによれば、「年金制度の一元化」とは、すべての人が同じ年金制度に加入し、職業が変わっても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化することであり、「最低保障年金の導入」とは、消費税を財源とし、すべての人が7万円以上(減額の場合あり)の年金を受け取れるようにすることです。
先頃行われた参議院選挙で民主党が敗れて「国会のねじれ現象」が生じたため、法案作成の先行きは非常に不透明だともいえます。しかし今後、新制度に関する議論が重ねられ、多くの国民が納得できる新しい年金制度が構築されていくことが望まれます。