採用最前線
本年度の新卒採用 最前線のお話しです。
全国の主要企業100社を対象にした新聞社のアンケートでは、学生優位の「売り手市場」の中、新卒採用で、計画通りの人数を確保できないなど、具体的な影響がすでに出ていると回答した会社が、全体の2割近くあったそうです。
今後の影響を予測する会社を含めると、全体の半数近くになる結果となりました。
日本を代表する大企業でさえ、採用活動が思い通りにいかなくなりつつある実態を表している数値です。
すでに影響が出ていると回答した会社からは、「地方のグループ企業で、面接途中での辞退が増えている(メーカー)」、「求めるレベルに達する人材の採用が難しくなってきている(流通)」、「ITなどニーズの高い分野は計画数を確保できていない(メーカー)」などの声が出ているそうです。
具体的な影響は今のところないが、今の状況が続けばいずれ出そうと回答した会社からは、「売り手市場が強まれば、就職活動の短期化が進み、企業間取引が中心で消費者と接点のない企業は苦戦を強いられる」との声がでているようです。
こうした状況の中、ほとんどの会社で採用活動や新入社員の待遇などを前年から変更したようで、インターンシップを導入・拡充したり、会社説明会の回数を増やしたりした企業が多くあるようです。
初任給を引き上げた企業も3割近くあり、
今年、初任給を引き上げた高島屋は「辞退が増えており、多めに内定を出さないと計画を下回る。年々その傾向が強まっている」だそうです。
なお、リクルートの調査によると、2019年春卒の学生の求人倍率は、従業員300人未満の中小企業で9・91倍なのに対し、5千人以上の大企業は0・37倍となっており、数字上では、大企業が苦戦する状況にはなっていないようです。
景気の現状についての回答は、17年11月に実施した前回調査とほぼ変わらず、8割超が「緩やかに拡大」と回答したそうです。