金融庁は2月12日、上場企業などに役員報酬の総額と役員ごとの個別額を有価証券報告書に記載するよう義務付ける内閣府令案を公表しました。
企業間の株式持ち合い状況に関する公表範囲も広げる模様です。企業や投資家から意見を募った上で今年度中に公布し、2010年3月期(今期)決算から適用を始める方針となっています。
役員報酬の開示義務を課す対象は、有価証券報告書を提出する上場、非上場企業です。
具体的には、報酬、賞与、ストックオプション(自社株購入権)などの合計が1億円以上の者とし、役職は取締役、執行役、監査役に限定です。ちなみに現在は任意公表となっている項目です。
企業の株式保有状況については、従来は時価総額が大きい上位10位の銘柄を公表させてきましたが、今後は上位30位銘柄まで範囲を拡大し、保有残高や保有目的も明記させるとのことです。
市場の評価が厳しくなり、買収防衛を目的とする株式持ち合いの解消が進む可能性があるからです 。
ちなみに文中の有価証券報告書とは、企業が財務情報・事業の内容や状況などを、証券取引法に基づき内閣総理大臣に提出する為の開示資料のことです。
下記のいずれかの条件を満たす企業に有価証券報告書作成が義務付けられています。
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