好業績のときも、業績が低迷したときも、創業当時から一貫して「終身雇用」にこだわり続けてきたキヤノン。

この不況下、過去最高の86.1%の人が終身雇用制度を支持しています。

労働政策研究・研修機構の調査によると、終身雇用を支持する人が過去最高の86.1%に上るなど労働者の安定志向が強まっています。

とはいっても終身雇用を維持するのは生半可なことではありません。

確かに終身雇用制は労働者に安心感を与えることで企業内の特殊技能の向上を促し、生産性を高める効果があるとされています。

一方で、従業員に安心感を与えるのはいいが、弊害として現状に安住し、サボタージュが増えてしまい生産性を低下させるという指摘もあります。

とりわけ新商品・新サービスの創出が常に求められる今日のグローバル経済下ではなおさらリスクが高いといえるでしょう。

ただし、終身雇用が生産性や競争力の低下を生むという決定的な実証研究結果が存在するわけではありません。

キャノンは今でこそ業績好調企業ですが、過去の業績低迷期にあっても雇用調整に踏み切らずに全体の賃金を下げることで雇用を維持してきました。なぜ、終身雇用にこだわるのでしょうか

「雇用最優先は施策や方法論というより、会社としての覚悟である。昔から業績が悪くなったら皆でしゃがんで我慢しようと言ってきたが、仮に今後会社の業績が悪くなっても給料を減らして皆で我慢して雇用を守っていくということだ(同社人事部長)」 

このように業績悪化時は全員で給料をシェアリングしながら雇用を守るという「覚悟」は、キヤノンの価値観、文化であり、社風ともいうべきものでしょう。

問題は終身雇用に潜む弊害を克服し、いかに従業員のモチベーションと資質を高めながら、生産性の向上につなげていくかという点です。言うまでもなく右肩上がり経済時代の経営スタイルとは異なる新たな経営・人事戦略が求められています。

キャノンは00年以降、JK(人事革新)の呼び名でさまざまな改革に着手しています。

その1つが根幹をなす賃金制度改革です。

従来の年功給から欧米の職務給を取り入れた独自の「役割給」制度を管理職に導入しました。役割給とは従来の日本的賃金の決定基準を大きく変えるもので、簡単に言うと、これまでの日本的賃金が本人の能力など「」を基準に決定していたのに対し、役割給は「仕事」を基準とするものなのです。

つまり、年齢や能力に関係なく、本人が従事している職務や役割に着目し、同一の役割であれば給与も同じであり、どれだけ重要な仕事をこなしているかという職務で給与が決定し、逆に職務が変われば給与も変わるというものです。

キャノンは終身雇用と並んで「実力主義」を創業時から掲げてきました。

しかし、実態は年功的処遇となっていたものでした。それを払拭し、実力主義を徹底する目的で導入されたのが役割給です。

さらに年功的運用で誰もが給与が上がることをやめるということは人件費構造改革でもあり、当然、終身雇用の維持とも密接に関連することです。 終身雇用を堅持する以上、経営環境が変化する中で実力主義とどう両立させていくかという課題がありました。

そこで出てきたのが、能力ではなく、仕事、役割で処遇していくという1つの回答だったのです。

今でこそ役割給の導入企業は珍しくないですが、本格的に導入したのはキャノンが初めてでした。そして05年には一般社員層にも導入しています。

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