黙とう
2003年には紫綬褒章を受章し、直木賞や吉川英治文学賞などの選考委員も務めた作家の渡辺淳一氏が亡くなられました。
学生時代より、「渡辺文学」作品に接してきた者の一人として、なんとも寂しい限りです。
渡辺氏は、北海道上砂川町出身で、札幌医科大学卒業後、同大で整形外科の講師などを務める傍ら小説を執筆され、1968年に同大で行われた心臓移植事件を題材にした「小説・心臓移植」(後に「白い宴(うたげ)」に改題)を書いたことをきっかけに同大を退職し、執筆活動に専念されました。
デビュー当初は、医療をテーマにした作品が多く、医療現場の光と影の部分を見せていただき、その後は恋愛物や歴史物のジャンルにも積極的に進出されました。
70年には、西南戦争で負傷した2人の軍人のその後を描いた「光と影」で直木賞を受賞され、
97年に出版された「失楽園」は、大胆な性愛描写が話題となり、250万部を超える大ベストセラーになり、映画化やテレビドラマ化もされ、もっとも有名になった作品ではないでしょうか。
男女の美しい在り方や、醜い部分を独特の表現で執筆されている多くの作品が、今思い出されます。
しばらくご無沙汰してました「渡辺文学」に、
ここでまた、触れてみようかと思います。
きっと実家の本棚には埃をかぶったままの単行本が、今も残っていることでしょう。
渡辺淳一 様
心より、 ご冥福をお祈り申し上げあげます。
(2014/5/7 10:51)