経営再建中のシャープは26日、労働組合に提案していた約2千人の希望退職の募集と給与、賞与の削減について、組合側と合意したと発表しました。
これで、同社が8月に発表した5千人の削減策にめどがついたものとなります。
さらにシャープは、海外工場を売却することで、最終的に1万人超の「リストラ策」の実行をめざすものです。
希望退職は40~59歳が対象で、11月に募集を始め、退職は12月15日になる予定です。
給与は、一般社員で、5月から2%で実施していたカット幅を7%に拡大するほか、賞与も半減させるようです。
10月から来年9月まで1年間実施し、今年度だけで人件費が約140億円減となるものです。
また、電機大手のパナソニックは、本社をスリム化するために、30代の若手社員も対象に希望退職を募るそうです。
約7千人いる大阪府門真市の本社社員のうち、研究開発部門に所属する約1千人を配置転換し、これとは別に、定年退職者と希望退職者を合わせ約1千人を削減する計画です。
パナソニックは2012年3月期決算で、過去最悪の7721億円の純損失を計上したのを機に、本社部門では初となる本格的な人員削減に踏み切ることを決めているそうです。
現在約2千人いる研究開発部門の社員のうち、半数を傘下の九つの事業会社に配置転換させ、同時に勤続11年以上の社員を対象に10月から希望退職を募るものです。
希望退職者数の目標はあえて設けないようです。
どちらも日本を代表する大手企業です。
製造業の苦境が、ついにここまできました。
一時的なものなら、我慢すればまた景気浮上となるでしょうが、先が見えないのが現状です。
海外での安い労働力による大量生産と、技術移転により競争力を無くした、日本の製造業。
これからは外国に真似できない何かを持っていないと、生き残りは難しくなってきます。
「職人」さんの活躍が、これからの日本を支えていくことでしょう。
がんばれ、職人さん! あなたのその技術が、これからの日本を支えていきます。
(2012/9/27 13:39)