AIJ投資顧問による企業年金の資産消失事件を受け、厚生年金基金のあり方を検討してきた厚生労働省は27日、基金制度を一定の経過期間後に廃止する方針を固めました。
28日の特別対策本部で確認するものです。
「将来的な廃止」を掲げる民主党の方針に沿ったものとなりました。
来年の通常国会に関連法案の提出をめざす模様ですが、廃止に伴う基金の積み立て不足の解消策などは決まっていないようです。
また、自民党は現行制度を前提にした救済策をまとめており、今後の政治情勢によって法案の行方は流動的との見方もあります。
厚生年金基金は、会社員の厚生年金に上乗せされる企業年金の一種で、厚生年金の一部を国から預かって運用する「代行部分」を持っています。
運用環境の悪化で、3月末現在、576基金のうち286基金でこの代行部分の積み立てが不足しており、不足額は総額1兆1千億円にのぼるものとみられています。