強い感染力で拡大しており、 「変異」タイプが6割も。
ノロウイルスが、今季、この10年間で最も流行した2006年に次ぐ勢いで拡大しています。
国立感染症研究所(感染研)によると、患者数は10月中旬以降、8週連続で増え続けており、専門家は「今後も増えかねない」と警戒を呼びかけています。
今季は、今月9日までに14道府県から63件の集団感染の報告があり、これまでの流行タイプとは異なる「変異ウイルス」が6割を占めているのが特徴だそうです。
このため、免疫がない人が多く、感染が広がりやすいとのことです。
感染は、例年12月にピークを迎え、ノロなどによる感染性胃腸炎が原因で、毎年1500〜2千人が亡くなっていました。
感染研の調査では、患者の8割は10歳未満でしたが、免疫力の弱い高齢者が感染すると重症化しがちだそうです。
過去の集団感染の場所を分析すると、老人ホームが862件と最多で、病院の163件など医療介護機関が続きました。
ノロウイルスは、感染力がとても強く、耳かき一かきほどの量の便の中にウイルスが約1億個もいます。
たった10〜100個が体の中に入るだけで感染してしまいます。
抗ウイルス薬や、ワクチンはなく、予防の大原則は、手洗いの徹底で、手についたウイルスを広げないことです。
主に嘔吐物で広まるため、病院などの施設では、塩素系の消毒剤で素早く掃除する必要があります。
アルコール消毒剤などは効果が薄く、健康な人でも、二枚貝などは十分加熱して食べることが大切だそうです。