東京地方最低賃金審議会は、このほど、東京労働局長に対し、東京都の最低賃金を10月1日から13円引き上げて、時間額850円への改正が適当であるとの答申を行いました。
これで東京都の最低賃金の上昇は9年連続となります。
東京都内の生活保護費が上昇したことに伴い、いわゆる逆転現象が発生したことから、乖離額を出来る限り速やかに解消することが重視されたようです。
最低賃金制度は、1978年から毎年、中央最低賃金審議会で目安額等を提示し、都道府県に設置された地方最低賃金審議会で、各地の経済情勢等を考慮して決定する仕組みが採用されています。
最低賃金が生活保護を下回らない水準となるよう配慮することは、2007年12月の最低賃金法改正で新たに盛り込まれたものでした。
生活保護水準の算出には、生活扶助費に期末一時扶助費と住宅扶助の実績値などを加えて計算した数値です。
近年の生活保護水準の上昇は、便利な都市部の民間住宅に居住する被生活保護者が急増していることなどによる住宅扶助費の大幅アップが主な原因となっているものです。
最低賃金の上昇ばかりでなく、生活保護費の見直しも「社会扶助」における今後の大きな柱となってくることでしょう。