自殺・うつ病対策の一環として、メンタルヘルス検査が、職場で義務化されようとしています。
厚生労働省は、具体的な検査法を示して導入を目指していますが、専門家からは「効果が確立されていない」と懸念の声が上がっています。
これは、労働安全衛生法改正案として昨年末、国会に提出されたもので、事業者に対し、通常の健康診断とは別に、メンタルヘルス不調者を見つけるための検査を義務付ける内容で、今のところ実質審議には入っていません。
厚労省は、使用する検査票の標準例として「ひどく疲れた」「ゆううつだ」など9項目の自覚症状を挙げ、労働者に4段階で自己評価させる方法を提示し、結果は本人の同意なしには事業者に知らせず、必要があれば医師による面接を実施するとし、同省は「ストレスが高い人の早期発見につながる」と説明しています。
自殺やうつ病は、日本経済の停滞が鮮明になった90年代後半から急増し、厚労省の政策立案は、こうした状況の改善を目指す長妻昭厚労相(当時)の指示で始まったものです。
企業の定期健診に、精神疾患検査の導入を求めた長妻氏に対し、省内のプロジェクトチームは10年5月、同氏の意向を反映した報告書を作成し、その後、専門家の検討会を設置し、約1カ月半で検査の枠組みなどをまとめたものです。
問診形式のみでは、計りきれないことが多いとは思いますが、自殺やうつの減少につながることなら、実施もやむなしと思われます。