年金給付の減額検討へ。
公的年金が本来よりも多く支払われ続けている特例をめぐり、小宮山洋子厚生労働相は23日、来年度から支給額を本来の水準に下げ始めることを検討する考えを示しました。
この日の行政刷新会議の「提言型政策仕分け」が、来年度から特例を見直して年金を減額するよう提言したことを踏まえたものです。
年金の支給額は、物価水準の上昇や下落に連動して増減されます。
しかし、1999年からの3年間は物価が下がったのに、2000〜02年度の年金額は当時の自公政権が「高齢者の生活への配慮」を理由に特例で下げませんでした。
このため、いまの年金額は本来より2.5%分多く支給されていることになります。
財務省の試算では、年金の払いすぎは累計で7兆円に上るものです。
政策仕分けでは、仕分け人から「7兆円を現役世代が負担しており、世代間の不平等が広がっている」といった意見が相次ぎ、9人全員が早期の特例解消を求めました。
その後、小宮山氏は「早くやらないと、どんどん負荷がかかってくる。私の見解として、やっていくべきだと考えている」と記者団に語りました。
厚労省としては、3年かけて段階的に解消する案を検討していますが、年金受給者の反発は確実で、調整は難しいものとなりそうです。