高所得者、保険料上げへ。
厚生労働省は、厚生年金の保険料算定基準となる標準報酬月額の上限を見直し、高額所得者の保険料を引き上げる検討に入りました。
健康保険の上限と同じ121万円に引き上げる案が中心となっています。
保険料収入を増やすことで年金財政を安定化させる狙いがありますが、負担増となる人や、保険料を半額負担する企業側の理解を得られるかは、今のところ不明です。
厚生労働省は、社会保障審議会年金部会で検討を進め、成案が得られれば関連法案を来年の通常国会に提出したい考えです。
現在検討しているパートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大が実現すれば、9万8千円の下限も引き下げるものと見られます。
厚生年金は会社員の月収を30段階の標準報酬月額に当てはめ、それに保険料率を掛ける形で月々の保険料を決めています。
現行法では、標準報酬が上がるほど保険料も上がりますが、標準報酬上限の62万円で頭打ちとなります。
この頭打ちをなくし、上限を引き上げることで、負担能力のある高額所得者により多くの保険料を納付してもらう狙いがあります。
また、将来受け取る年金額も、払った保険料に見合って上昇するため、高額所得者への支給額が膨らみすぎないよう、現在の上限である62万円を超えた分を半額で計算する案や、年収1千万円以上の人の基礎年金を最大2分の1削減することなどが検討されているそうです。