マツダの社員自殺で賠償命令がでました。
うつ病になり自殺した自動車大手マツダ社員の男性の両親が、会社に計約1億1,000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁姫路支部は2月28日、同社の事後対応による両親の精神的苦痛も認め、計約6,300万円の支払いを命じました。
中村隆次裁判長は判決理由で「自殺直前の労働は質的、量的に過剰で、自殺は業務に起因する」と指摘し、「心身の健康への配慮を怠った」と、マツダの責任を認めたものとなりました。
さらに「葬儀で上司が冗談を言うなどし、両親は二重に精神的苦痛を被った」と認定、原告代理人の弁護士は「事後対応を含めて責任を認定した例は珍しいのではないか」と話しています。
男性の父親(63)は判決後に記者会見し「マツダは『全く責任がない』と自己保身の構えで事実を隠蔽し続けた。判決を真摯に受け止め、謝罪してほしい」と話していたそうです。
マツダ広報本部は「当社の主張が一部しか認められなかったことは残念だ」とコメントしています。
判決によると、男性は2006年11月からエンジンのオイルフィルターの購買業務を担当し、取引先との間でトラブルが頻発したが、上司の支援はなく、長時間の残業などが重なりうつ病を発症、07年4月に自殺したものです。
広島中央労働基準監督署は、09年1月自殺は過労が原因として労災認定していました。