「もらえると思っていた公的年金や公的医療保険の給付が受けられない」といった場合に、不服を申し出ることができる「審査請求」の件数が、近年増加しています。
制度の対象は、国民年金、厚生年金保険、健康保険、船員保険です。
保険者の裁定に不服があった場合に、60日以内に申立てを行います。
最近目立つのは、障害年金、傷病手当金、遺族年金などに関する不服申立てです。
この制度は、保険料の徴収など一部を除き、審査と再審査の2段階です。 まず、地方の厚生局に属する「社会保険審査官」に審査請求を行います。
審査の結果、容認、棄却、却下の他、取下げを通知されますが、これが不服であった場合や、60日以内に審査官の決定がない場合には、厚生労働省にある「社会保険審査会」に再審査請求を行います。
なおもその結果に不服の場合は、訴訟を提起することになります。
審査官も審査会も、「容認」となるケースは1割弱とそれほど高くありません。
保険者に不支給と言われて諦めてしまう人も多いのですが、認定基準自体が見直された例もあるため、審査官の段階でダメであっても、審査会で別の視点から判断される場合もあり、諦めないことが大切です。
申請手続の進め方や書類の記入の仕方によって支給されないことがあるため、注意が必要です。
また、申立期間が60日以内だということにも注意です。
これを過ぎてしまうと却下されてしまいます。 社会保険に関する知識が十分でない場合、漠然と訴えても有利な結果を出すことは容易ではありません。
専門家を代理人に立てるほうが、有利な結果を得られる確立は高いでしょう。