円借款とは、
開発途上国に対して行う政府間援助(ODA)のひとつで、低利で長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付ける融資制度のことです。
金利は1%台のものも多く、返済期間は30年以上のものもあります。主にアジア地域の発展途上国の自助努力と主体的な取り組み、経済社会基盤の整備を支援するため1985年に開始されたもので、現在では、アジアを中心に全世界約95カ国を対象に行われています。
円借款の実施は国際協力銀行が行っており、財源としては税金や国債などを財源とする一般会計、財政融資資金借入金、自己資金など大きく分けて3つあります。
支援の内容としては、主として電力やガス、運輸、通信、農業といった経済社会インフラが供与の対象となっています。
最近は地球環境問題や人材育成、貧困層への支援など社会的サービスなどへと、供与の対象は広がってきています。
その内容はいろいろありますが、大きく「プロジェクトタイプ」と「ノンプロジェクトタイプ」があります。
プロジェクトタイプの中には、プロジェクトに必要な設備からコンサルティングサービスまでの資金を融資する「プロジェクト借款」、主にプロジェクト立ち上げまでのコンサルティングを行う「エンジニアリング・サービス借款」などがあります。
ノンプロジェクトタイプには、物資を輸入するために必要な資金を融資する「商品借款」などがあります。