55年ぶり判例変更

公務員もリコール請求可能?

高知県東洋町議のリコール(解職請求)をめぐり、公務員の農業委員が請求代表者として集めた署名の有効性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁判所大法廷は18日、判例を55年ぶりに変更し「公務員が請求代表者になることを禁じた地方自治法施行令の規定は無効」との判断を示しました。

 

その上で「農業委員が代表者の1人として集めた署名は無効」とした高知地裁判決を破棄、有効と訴えていた原告住民の請求通り、町選管決定を取り消しました。

 

竹崎裁判長は、地方自治法上の解職手続きは「請求時」と「投票時」の2段階に分かれ、公務員が代表者になれないとの資格制限は投票段階に関する規定だと指摘しました。請求段階にまで適用した施行令は無効と判断しました。

 

一方で「請求段階でも資格制限するなら、法律に基づき明確に規定することが望ましい」とも言及し、資格制限の是非自体は判断しなかった模様です。

 

判決は15人の裁判官のうち12人の多数意見で、政令を違法で無効とする最高裁判決は5件目となっています。

1954年の最高裁判決や行政実務は、施行令に基づき公務員が代表者になれないとしてきました。18日の判決によって、ほとんどの公務員が議員解職の請求代表者になれることになりましたが、反対意見で竹内行夫裁判官は「公務員が中立義務に反して地位を利用し、解職請求の主導者となれないとするのが合理的な解釈だ」と述べました。

判決によると、住民有志は町議のリコール運動を展開、昨年4月に1,124人分の署名を町選管に提出したが、選管は請求代表者6人のうち農業委員1人が含まれているとして、署名を無効と判断し、住民側は異議を申し立てましたが、棄却した経緯がありました。

今回のようなリコール手続きなどの訴訟で地裁判決に不服があれば、最高裁に上告する規定となっています。