2020年4月

時間外労働上限規制が、2020年4月から中小企業も適用になります。

4月から中小企業も適用に「働き方改革」の下、昨年4月から大企業を対象に時間外労働の上限規制が始まりました。

時間外労働の削減については多くのメディアでも取り上げられてきており、各企業で多様な取組みがなされているところですが、いよいよ今年の4月から中小企業も規制の対象となります。

中小企業で猶予されていた月60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率50%以上の規定についても、2023年から適用が始まりますので、長時間労働が常態化している会社において、残業時間削減の取組みは、経営上無視できない問題となっています。

実際、労働時間自体は全体的に減少傾向にあるようで、直近の厚生労働省が2月に公表した毎月勤労統計調査令和元年分(速報)によると、労働時間(1人平均)は総実労働時間 139.1 時間と前年比2.2%減となったそうです(うち、所定内労働時間は128.5 時間(同2.2%減)、所定外労働時間は10.6 時間(同1.9%減))。

残業時間の上限に法的規制が加えられたことから、各企業で時間外労働等の削減に向けた取組みによるものとみられます。

具体的に、残業時間削減の取組みとしては、「年次有給休暇取得促進の取組」、「従業員間の労働時間の平準化を実施」、「残業を事前に承認する制度の導入」、「従業員の能力開発の実施や自己啓発の支援」、「IT環境の整備」などがあります。

 

厚生労働省では、現在、中小企業の事業主に向けて「働き方改革」の特設サイトを設けており、残業削減等の取組み事例や関連の助成金の情報をまとめて紹介しています。

 

各企業で時間外労働の原因や適切な対策は異なりますが、自社の現況を踏まえて対応可能なところから始めてみましょう。

現役続行?!

70歳過ぎても、現役?!

 

政府は、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法など、関連法案を閣議決定しました。

現行では、希望者全員を65歳まで雇うよう企業に義務付けており、企業は、

(1)定年廃止

(2)定年延長

(3)再雇用制度

の導入の選択肢があります。

改正案では、さらに、

(4)別の会社への再就職

(5)フリーランス契約への資金提供

(6)起業支援

(7)社会貢献活動参加への資金提供
なども選択肢として認めるようです。

今国会で成立すれば、2021年4月から施行されるものとなり、今後の動向が注目されます。

今年は元年?

未払い残業代対策 元年になるかも?

昨年12月、セブン‐イレブン・ジャパンは、パート・アルバイトの残業代が一部未払いとなっていた件で、永松社長が記者会見で謝罪しました。

同社の支払不足額は、2012年3月以降分だけで4.9億円(遅延損害金1.1億円含む)に上り、1人当たり最大280万円となっていました。

原因は精勤手当や職責手当等、残業代の対象となる手当を含めずに計算していたことにあり、12月15日掲載の東洋経済ONLINEの記事によれば、「2001年に計算式を変えた際、式に基づいて計算が正しく行われるかという確認はしていた。

 

しかし、人事や労務管理のプロである社会保険労務士によって計算式そのものが正しいか確認された記録はなく、今までミスが放置されていた」ということです。
この問題により、同社は厳しい批判を浴びせられました。

批判は、未払いの発生のみならず、労働基準監督署の是正勧告等を受けていたにもかかわらず長年放置していた姿勢にも向けられました。

こうした批判は、今後の人材募集にも深刻な影響を与えかねません。

昨年12月27日、厚生労働省は、賃金等支払いを請求する権利の時効を現行の2年から原則5年へと延長する方針を固め、4月1日以降、労働基準法が改正される見通しとなりました。

改正法施行後も、当面の間は3年とされる見通しですが、5年経過後に見直し、以降は原則どおり5年とすべきという意見も出されています。

つまり、未払い残業代が発覚した場合でも、これまでは2年分の不足分を支払えばよかったのですが、2倍以上の金額を支払わなければならないこととなります。

4月1日以降は、時間外労働時間の上限規制も全面施行となるため、残業時間のカウントと残業代の支払いに注意を払う必要があります。

 

ソフトやクラウドサービスを利用しているから大丈夫と思っても、計算方式が誤っていて、未払い残業代が発生し続けるといったこともあり得ます。

確認するなら、早いうち、今のうちが良いようです。