私の「ひとり言」では、5年間にわたり苦境に陥った日本航空の記事を書いてきました。
来月には再上場とのことを受け、一区切り、復活を遂げたものとして次は、同じような日本を代表する企業を追いかけてみたいと思います。
主力の液晶事業の不振で経営が悪化したシャープは、太陽電池工場など資産の売却を検討していることが明らかになりました。
今年3月に発表した台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループとの提携の効果が、ほとんど表れないうちに株価が大幅下落したため、鴻海との資本提携の見直し、財務改善策の立案と矢継ぎ早に新たな対応を迫られているようです。
シャープは8月2日に発表した4〜6月期決算で1384億円の連結純損失を計上し、経営立て直し策として、5000人規模の人員削減などで固定費を1000億円引き下げるほか、6月末時点で1兆2520億円に上る有利子負債を今年度末までに9000億円に圧縮すると表明しました。
しかし株価の下落が続き、15日終値で164円と年初来安値を更新しました。
3月の提携合意では、鴻海が1株当たり550円で約9.9%のシャープ株を取得し、総額約670億円を出資するはずでしたが、株価が合意価格の3割程度に下落したことで、鴻海の出資額を下げる方向で両社は提携の見直しを急いでいます。
ここにきてシャープは、主な取引銀行から月内にも最大で数百億円規模のつなぎ融資を受ける見通しとなりました。
多額の有利子負債を抱え、悪化した資金繰りは当面、落ち着く見込みですが、来年秋に約2千億円の社債償還を控えるなど本格的な銀行支援が今後も必要で、事業の売却など思い切った追加リストラも求められそうです。
製造業は、日本のもっとも得意とする業種です。
早期復活をねがいたいものです。
(2012/8/19 8:31)