全国の厚生年金基金の75%が、資産運用担当者を1人しか置いていないことが、企業年金連合会の調査で判明しました。
高利回りをうたった投資顧問会社 「AIJ投資顧問」 に資産を預け、年金資産の多くを失う基金が続出しましたが、運用を委託する基金側のチェック態勢が十分でない実態が浮き彫りとなったものです。
調査は、企業年金連合会が595基金を対象に行い、昨年9月に集計したものです。
回答した569基金のうち、425基金が運用担当者が1人でした。
2人は97基金、3人は34基金で、5人以上は4基金だけでした。
運用担当役員の経歴をみると、経理・財務部門が16%、運用機関やコンサルティング会社が7%となっています。
ある投資信託会社幹部は 「1人では勘違いもあるし、投資顧問会社からの接待などで判断が左右されやすくなる」 と問題点を指摘しており、小規模基金においては、人材確保が難しく「合併を進めて規模を拡大しないと、適正運用は望めない」(金融庁幹部)とのことです。
虎の子の退職後の上乗せ部分を、たったひとり、しかも接待で左右される投資に充てられたと考えると、知らないことって怖いですよね。
(2012/3/7 13:59)