57兆円のデリバティブ取引の果て。
年金資金2000億円規模の大半を失ったAIJ投資顧問が、57兆円のデリバティブ取引を行っていたことが分かりました。
リスクのある取引で運用の失敗した可能性が高いと見られています。
AIJ投資顧問が、一昨年1年間に実施した先物取引とオプション取引を合わせたデリバティブ取引高は、約57兆円に上るそうです。
こうした損失リスクがある取引を積極的に行った結果、多額の損失が発生し、企業から預かった年金資金を失った疑いが出ています。
また、AIJ投資顧問は、高い利回りをうたって、実態と異なる虚偽の説明をしていた可能性があるそうです。
証券取引等監視委員会と金融庁は、年金資金が運用以外の目的に流用するような悪質な行為がなかったか、刑事告発も視野に調べています。
また、年金資金を運用するほかの投資顧問会社約260社について、問題がないかどうか、週明けから本格的に調査を始めるようです。
企業から預かったお金は、あくまでも預かり金で、自己資金ではないことを認識して運用していればこんなことにはならなかったのではないでしょうか。
今後不足分を穴埋めしなければならない委託先の企業のことを考えると、ぞっとする事件です。
(2012/2/26 21:06)