株価低迷を受け、企業の年金積み立て不足問題が2013年3月期末以降、注目されそうです。
上場企業の大半は、独自の退職金・企業年金制度を採用し、将来発生するそれらの支払いに備え、一定額の資産を積み立てて運用しています。
しかし、市況悪化で期待していた利回りが確保できず、年金や退職金の支払い必要額に対して積立額が足りない会社が少なくありません。
「会社四季報」新春号には各社の年金積み立て不足額が表記されています。
不足している企業は全上場3594社のうち1934社、総額8兆0518億円に上ります。
現在の株価は試算時よりも値下がりしており、不足額はさらに膨らんでいると見られます。
ところが、現行の日本の会計基準では、一括でなく10~15年の長期にわたる不足分の費用処理が可能で、その多くは貸借対照表に反映されず、「隠れ債務」と化しています。
年金の積み立て不足を強制的に貸借対照表の負債に計上させようという会計基準見直しの動きも進んでいますが、適用は13年3月期以降となる見込みです。
これが導入されれば、積み立て不足額が多い企業は資本不足、最悪の場合には負債が資産を上回る「債務超過」に陥るなど、財務状態が悪化するおそれもあります。
企業の年齢構成も、高年齢者が多い企業ほど負担増になりますので、バランスのとれた年齢構成が望まれます。
今、十分に新卒者を雇用しておけば10年後、20年後の会社の人財にとって必ずプラスとなることと思います。
(2012/1/17 12:48)