社会保険加入要件の緩和に賛否両論。
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の特別部会は13日、パートなど非正規労働者への社会保険の適用拡大について関係団体からヒアリングを行いました。
部会は厚生年金や健康保険への労働時間に関する加入要件を現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」へ緩和する案を検討していますが、事業主団体が反対、労働組合が賛成の立場からそれぞれ意見を述べました。
社団法人日本フードサービス協会の加藤一隆専務理事は「外食産業は働く88.4%がパート。要件緩和で新たに約100万人が社会保険に加入することになり、上場企業でも保険料負担が増えて、経営が困難になる」と述べ、加入要件の緩和に反対する考えを表明しました。
一方、小売り・流通業の140組合が加盟する日本サービス・流通労働組合連合の石黒生子事務局長は「企業で基幹的な労働者になっているパートに労働時間だけで社会保険を適用しないのは差別だ」と、賛成の立場から意見を述べたものとなりました。
これが実現すれば、社会保険の加入要件と雇用保険の加入要件が、週の労働時間で見る限り同じ基準となります。
景気が低迷しているのに、事業主負担増を強いることは、日本経済とって決してプラスになることとは思えません。
経済特区のように、社会保険料も特区を設けれて特別措置を講じれば、復興支援のひとつにはならないでしょうか。
(2011/10/13 20:13)