生涯現役制度を導入する企業があります。
工業用機械大手のCKD(愛知県小牧市)は、年齢制限を設けず雇用を継続する「生涯現役制度」を来年4月から導入するそうです。
これまでの仕事で培った職人技や人脈を眠らせず、会社の戦力として生かすもので、このような年齢制限の撤廃は、大手企業では珍しく、少子高齢化が進む中、今後は同様の取り組みを行う企業が広がりそうです。
CKDは現在、60歳を定年とし、希望すれば68歳を上限に再雇用しています。
機械加工の職人や、設計技師、営業マンなど職種を問わずに雇い続け、2010年度は33人の退職者のうち21人を再雇用したそうです。
来年4月からは68歳の上限を撤廃し、生涯雇用を目指すものです。
現在の再雇用者は、中国の工場で後進の指導に当たるなどで活躍しています。
現役幹部が退職者を招いて開く定期交流会では「70歳まで働きたかった」との声が強く、今回の制度導入につながったとのことです。
新制度では、社員は55歳で生涯現役になるかどうかを選択し、現役を選択した場合、給料は55歳から60歳まで2割程度減り、60歳以降は3~4割減る仕組みを検討しています。
「公的年金の支給年齢引き上げなど将来への不安が拭えない中、社員の選択肢も増やしておきたかった」との同社人事部長の談話があります。
職人を大切にする日本的企業のお手本となる制度です。
「終身雇用と定年延長」
良き伝統は、いつまでも継承していきたいものです。
(2011/9/29 10:19)