WHOの国際がん研究機関は、携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」との分析結果を発表しました。
耳にあてて通話を長時間続けると、脳などのがんの発症の危険性が上がる可能性があるといい、予防策としては、マイク付きイヤホンの使用を挙げています。
フランス・リヨンで開かれた作業部会で、14カ国の専門家31人が議論し、携帯の電磁波について、5つある発がん性分類で上から3番目の「可能性がある」に位置づけたものです。
これは各国が規制措置をする際の科学的根拠となるため、今後、規制論議が始まる可能性があります。
ただ、動物を対象にした研究では、明確な関連性がないとした上で、今後、長時間携帯を使う人などを対象にした研究を重ね、さらに分析を進めるべきだとしています。
一方で、同じく電磁波を出す電子レンジやレーダーを職業上使う場合や、ラジオやテレビ、各種無線通信に日常生活で触れる場合も同様に検証しましたが、発がん性との関係はないとも結論づけました。
もはや携帯電話は、多くの人の日常生活に欠かせないものとなりました。
結論が出ていない段階で過度に恐れる必要はありませんが、リスクはゼロでないことを理解し、使用することが必要です。
(2011/6/5 18:25)