「税と社会保障の一体改革に関する集中検討会議」で、パートなど非正規労働者が厚生年金へ加入するための対象条件を、「週30時間以上」から「週20時間以上」に引き下げる方向で検討が進められています。
週20時間と言えば月約84時間。時給900円なら月収は7万5600円となり、年収にすると90万7200円になります。
週20時間以上の労働で厚生年金に加入すると、厚生年金保険料の負担は、約8000円支払わなくてはならなくなります。
現在、サラリーマンの妻は、年収130万円までなら夫の扶養に入るので、保険料を払わなくても国民年金に加入していることになります。
けれど、年収135万円になれば扶養から外れるので、月1万5020円(平成23年度)の国民年金保険料を支払わなくてはなりません。
同時に、健康保険料も支払わなくてはならなくなるので、会社で厚生年金と健康保険に加入したほうがいい、ということになります。
では、独身でアルバイトやパートをしている人はどうでしょう。
現状では年収122万円(所得57万円)までは、収入が少ないので将来もらえる年金は減りますが、国民年金保険料は免除になっています。
それが、厚生年金に加入しなくてはならなくなると、将来の年金額は増えるかもしれませんが、今の生活が苦しいということになりえます。
国民年金を支払わなくてはならない自営業者の妻にとっては、厚生年金に加入できれば、納める保険料を減らすことができて、将来的にはもらえる年金も増えるということになります。
どちらにしても、今厚生年金の保険料を払わなくてよい人たちを、今後厚生年金の被保険者にしなければ、財政がたち行かなくなくなってきていることは事実です。
(2011/5/26 12:46 )