基礎年金の受給額が老後所得で増減。
厚生労働省は23日、年金分野の社会保障制度改革案をまとめ、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」に提示しました。
公的年金の最低保障機能の強化と能力に応じた負担の考え方を打ち出したものです。
これは基礎年金について低所得者への給付に、一定額を加算する一方で、高所得者は最大で国庫負担分(2分の1)まで減額する案を提示したものです。
基礎年金は現在、保険料を40年間支払った場合、収入にかかわらず、65歳から満額で月額約6万6000円が支給されます。
しかし、実際には保険料を納めた期間が短いなどの理由で、4万円未満しか支給されない人が全体の約4割にも上ります。
このため、低所得の高齢者に対しては、基礎年金を定額か定率で加算する仕組みを創設しようとするものです。
また、年金受け取りに必要な保険料の支払期間も、現行の25年以上からの短縮を検討し、無年金、低年金の救済を目指すとしています。
今後は、高所得の厚生年金加入者には負担増を求め、保険料算出の基礎となる標準報酬月額の上限の62万円よりの引き上げを検討するとのことです。
この他、パートなど非正規労働者への厚生年金の適用を拡大し、雇用契約期間が31日以上あれば、加入要件は所定労働時間を週20時間以上に引き下げることや、働く女性の厚生年金保険料を、産前・産後の休業期間中は免除する、原則65歳の年金支給開始年齢を見直すことも課題としたものです。
前々から言われてきた、支給開始年齢の繰上げが議題に上ったということは、「年金は70歳より支給開始」となる日が近づいたのではないでしょうか。
(2011/05/24 8:52)