第1声は「助かって良かった。」
宮城県石巻市で、震災10日目に倒壊家屋から祖母とともに救助された高校1年の少年が入院先の病室で今の心境を語りました。
少年は顔にマスクを着け、ベッドで布団をかぶっていました。
左足に炎症があるが、体調を尋ねる質問には「大丈夫です」と答えたそうです。
全国から注目を浴びた救出劇に、父と顔を見合わせ、苦笑いする姿が印象的でした。
少年は救助された日の前にも、「警察や消防の活動の音が聞こえたが、外には出られなかった」と振り返ったそうです。
また、津波が襲ってきた様子について「家の中だったので覚えていない」と語りました。
家が倒壊した後は「1部屋分で立って歩くこともできなかった」と狭いスペースに9日間閉じ込められた状態だったそうです。
「言葉は覚えていない」というものの、祖母とは声を掛け合って、わずかな水や菓子などでしのいだそうです。
救出されたわが子を見て父親は、
「口数は少ないけど大したやつだ。頼もしい」と目を細めたそうです。
こうした感動が、行方不明となっている人たちの数だけ
今後、生まれることを願うばかりです。
(2011/3/21 16:52)