国民健康保険料が来年度も上限引き上げの模様です。
厚生労働省は22日、自営業者などが加入する国民健康保険の年間保険料の上限額(現行63万円)を2011年度に引き上げる方向で検討に入りました。
引き上げ幅は、1993年度に並び、過去最大だった10年度と同じ4万円程度となる見通しです。国民健康保険の財政難が続く中、高所得層からの保険料収入を増やし、中間所得層の負担軽減につなげる狙いがあるようです。
所得に比例して増える国民健康保険料額は、料率の違いから市町村によって異なりますが、上限額は国が一律に定めています。
単身世帯の年間所得ベースで見ると、約760万円で現行の上限額63万円に到達し、それ以上の所得があっても保険料は変わらない仕組みです。
国民健康保険は近年、高齢者や非正規労働者の加入が増えるとともに、高齢化に伴う医療費の増加で保険財政が悪化の一途をたどっています。こうした中、低所得層を対象にした保険料の軽減措置を受けられず、かつ上限額に届く所得にも満たない中間所得層の負担感が増す形となっているのが現状です。
厚生労働省は、10年度に上限額を59万円から63万円に引き上げましたが、中間所得層の負担緩和には上限額のさらなる引き上げが必要と判断した模様です。
また、中長期的に中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽの上限額(現行93万円)と同額とする意向を持っており、両健康保険の格差を段階的に縮めていく上でも引き上げは妥当とみています。
仮に上限額を4万円引き上げて67万円とした場合、年間所得ベースでは約810万円で上限に達することになります。
所得の多い人から、保険料をたくさん徴収する考え方には賛成です。
(2010/05/23-09:00)