独国
「物づくり大国」ドイツのお話です。
ドイツは、世界の主要な国の中で最も労働時間が短く、日本よりも有給休暇の取得率がはるかに高いそうです。
にもかかわらず、高い経済パフォーマンスを維持し続けています。
おまけに、社会保障サービスの水準も日本を大幅に上回っているとのことです。
ドイツの労働生産性が日本を大幅に上回っている理由は、ドイツの「労働時間の短さ」にあるそうです。
2014年のドイツは、労働者1人あたりの年間平均労働時間が1371時間でした。これはOECD加盟国の中で最も短く、日本の1729時間に比べて約21%も短いものとなっています。
日本よりも358時間、OECD平均よりも399時間短いことになります。
また、ドイツでは「長時間労働は評価されない」慣習があるようです。
日本では、残業が当たり前!という考え方が今も根強くありますが、ドイツでは1日10時間を超える労働は法律で禁止されているそうです。
労働条件を監視する役所が時折、労働時間の抜き打ち検査を行い、1日10時間を超える労働を組織的に行わせていた企業に対しては、最高1万5000ユーロ(約172万5000円)の罰金を科すそうです。
企業は、罰金を科された場合、長時間労働を行わせていた課の管理職にポケットマネーから罰金を払わせるようで、
管理職は繁忙期でも社員が10時間を超えて仕事をしないよう、細心の注意を払っているそうです。
ドイツ企業では「短い時間内で大きな成果を上げる」社員が最も評価され、成果が出ないのに残業をする社員は、全く評価されないとのことです。
このためドイツでは、長時間労働による自殺や過労死、鬱うつ病は日本ほど大きな社会問題になっていないようです。
現在、ドイツは景気が非常に良いそうで、今年8月のドイツの失業率は4.2%とEU加盟国の中でチェコに次いで2番目に低いものとなっています。また、ドイツ人は「ワーク・ライフ・バランス」を重視しており、
企業は優秀な人材を確保するためにも、労働条件が悪いという評判が立たないように神経を使っているそうです。
勤勉さやモノづくりの点では、似通った点も多い日本とドイツ。
日本も見習えること、ありそうですね!