言葉にできない
世界遺産でも「うつ病」?
長時間労働で抑うつ神経症を発症したとして、世界遺産・仁和寺が境内で運営する食堂で働いていた元料理長の男性(58)が、同寺に慰謝料など約4700万円の賠償を求めた訴訟の判決が12日、京都地裁でありました。
堀内照美裁判長は「業務は著しく過重だった」として、寺側に約4250万円の支払いを命じたかたちとなりました。
判決によると、男性は2004年から宿泊施設「御室(おむろ)会館」の食堂に勤務しており、05年からは料理長として働いていました。
11年以降、時間外労働が月140時間を超えるのが常態化し、月約240時間に及ぶこともあったようで、11年は356日出勤し、そのうち349日は連続して勤務していたものです。
男性は、12年に抑うつ神経症を発症し、同年から休業しているとのことです。
堀内裁判長は、過重な業務がなければ、抑うつ神経症を発症することはなかったと指摘し、寺が労務管理体制を整え、業務量を調整したり人的体制を充実させたりして、男性の業務が過重にならないようにする義務があったと結論づけたものとなりました。
判決後、男性は「病気になり、働けなくなったのはショックだった。寺側には謝罪してほしい」と語ったそうです。仁和寺は「主張が認められず残念とし、判決文を精査し、今後の対応を決めたい」とする談話を出しているようです。
世界遺産の管理は、建物や環境ばかりではなく、労務管理も必要とされる時代になったのでしょうか・・
なんとも言えない事象です。